グラナド・エスパダのレビュー・評価

プレイ期間＝3か月
感想＝ゲームそのものの完成度が高いです。今までに試したオンラインゲームの中で一番長く続いてます。

・グラフィックと世界観
かなり良いです。画質の高さを売りにしてるゲームは山ほどありますが、これは服装や建築物なども「アメリカ開拓時代初期」的な雰囲気がよく出てます。
「未開地の開拓」といった明確な目的も存在するので、何のために冒険をしているのか分からないということもないですね。個性的なNPCがたくさんいるので、クエストの内容もおもしろいです。
キャラクターの外見が固定なのと、服装の種類が乏しいのはちょっと不満です。

・音楽と効果音
文句なしにオンラインゲーム最高峰でしょう。そこらのコンシューマ機のRPGをも軽く上回る良質なBGMがたくさん用意されており、効果音のキレの良さも戦闘の爽快感を盛り立ててくれてます。

・システム
MCCシステムとスタンスの概念が新しいです。3人のキャラクターを同時操作できるというのはオンラインゲームとしてはかなり新鮮で、感覚としては「FF12」あたりに近い印象です。
面倒なステータス振りの要素をなくし、スタンス（キャラクターの取る構え）によって育成が成り立ってるのも良いですね。同じようなスキルを延々鍛え続けるのではなく、いろんな戦闘スタイルを使い分けられるので、どんどん新しい技を覚えたり状況に応じてスタンスを切り替えるのが楽しみになってます。
NPCを自キャラに編入できるのもおもしろいです。非常に多くのNPCが用意されていて、「タクティクスオウガ」や「FFタクティクス」で固定キャラクターを加入させて育てるような感覚を楽しむことができます。
似たようなシステムを採用する似たようなゲームが蔓延している中で、こうした独自性にこだわる開発の姿勢が評価できますね。

・戦闘と操作感
「デビルメイクライ」や「無双」のような乱獲メインの狩りと、上記の効果音の質の高さもあって爽快感は抜群です。
レスポンスも悪くないのでさくさく動いてくれますが、細かい操作にやや難があるかもしれません。範囲系の攻撃や補助系スキルの発動を思った通りに受け付けてくれないことが多いのと、キャラクターごとのモードが一覧表示されないので戦闘状態が解けてしまっていても気付かないということがあります。
多人数での協力プレイ要素が低いのは不満でもあり、良いところでもあります。何かもう1つ協力プレイを推進させる要素があれば、丁度良いバランスになると思うのですが。

・対人戦とバランス
用意されているキャラクターやスタンスの数が膨大な分、やはり強キャラ・弱キャラというのはあります。こまめに調整が行われてはいますが一部飛び抜けて強いキャラも存在するので、ここはがんばってほしいところです。
対人戦はそこまで多く経験した訳ではないですが、勝敗がレベルや装備による「等級」でほぼ決まってしまうのは不満ですね。もう少し等級差のアドバンテージを緩和してくれればなお良くなると思います。

・運営
とにかく不正者対策が甘いのは問題です。ひどいときには狩場にBOTしかいないこともありますし、クエストの対象モンスターやアイテムを平然と横取りしてきて鬱陶しいことこの上ないです。
あとはまあ、良くも悪くも普通の運営ではないでしょうか。不満はそれなりにありますが、BOT対策にさえ力を入れてくれれば個人的にはOKです。

コンシューマ機のゲームをいくつか例に出しましたが、それほど普通のRPGに近い感覚で遊べるということです。多人数プレイにこだわらないのであれば間違いなく楽しめると思います。
基本無料で遊べてこのクオリティーの高さは10点を付けても良いですが、多少バランス調整の詰めが甘いのとBOTの多さを考慮して、改善への期待を込めた9点としておきます。