ローズオンラインのレビュー・評価

プレイ期間＝３ヶ月程度
感想＝
軽い作りの3DMMORPGで、ディズニーのようなディフォルメ感の強い箱庭世界を冒険する。
他の批評でも言われているとおり、ROで培ったパッケージングの完成度は高く、β期間とはいえ既に充分楽しめる出来になっている。
突出した特色はないものの全体的に品質の良い、「優等生」といったイメージ。

さすがに人やMobが一気にフレームインするような所では処理速度が落ちるものの、マップやキャラメイク、スキルエフェクト、装備、視点の自由度といったヴィジュアル面も非常に高水準な上、要求スペック・PCへの負荷は非常に低く秀逸。

システム的にも、クリックゲームという批判は後を絶たないが、クリゲーの2台巨頭RO・リネ双方共に金字塔作品となった理由は、クリゲーの持つ間口の広さ。
様々な人がいてこそのMMORPG、その点ROSEも、廃人〜ライトユーザーまで受け容れる懐の深さは充分に感じさせる。

その上で、貨幣量・物量・接続人口で自動的に変動する経済システムの発想や、装備品の能力が基本性能・耐久性・ステ補正等々同じ物でも微妙に違うせいで固有の相場というものが成立しにくく、また誰でも簡単に露店を出すことができるので、このまま接続人口が増えればアイテム交流はますます刺激的になっていくことが予想される。

また、目下パーティのレベル制限や分配システム（相場不定の材料・装備品が大量に出るので困る）のせいか、PT制に不満が集中しているものの、ソロとPTのバランスという点では非常に適正で、仲の良いメンバーとスキルを出し合ってガツガツ狩るのはなかなか楽しい。クリゲーなので、狩りながら雑談できる点も良い。

ROを壊滅させたと言っても過言ではない升・BOT対策に関しては、製作会社が直接管理していることもあって、かなり厳重なセキュリティー・迅速な対応となっていて、非常に評価できる。

逆に、現在のところはバランス調整やバグ修正がメインとなっている様子なので、もう少し使い勝手の良いユーザーインターフェースやチャット・クラン関係の今後の修正に期待大といった感。


以上のように、全体的に優良作品な匂いを十分に漂わせているものの、現在までコレといった起爆剤もなく、なぜか緩やかな退廃感に包まれている。
実に惜しい一品、といった所で終わりそう。