エバークエスト２（EverQuest II）のレビュー・評価

プレイ期間＝β第二次募集〜現在（約二ヶ月と一週間）
感想＝
初めは正式開始後直ぐにマンネリ化を感じたある別のゲームの気分転換のつもりで始めたが、やり始めるとゲームとしての完成度の高さに、こちらに引き込まれてしまった。
まず、プレイ時間を選ばないのが素晴らしい。
基本は長時間プレイを求められているが、一日２時間程度の私のような社会人でも遊べるよう、随所に配慮が見られる。
例えばバイタリティシステム。これはプレイしていない時間の分だけ経験値取得量にボーナスが付くシステムである。
また、広い世界でありながら移動が早い点もそうだ。歩行速度を速めたり乗り物等で移動距離を大幅にカットでき、まだ奥地まで行くこともないレベルだから、ということもあるだろうが（現在24Lv）移動にかかる時間は15分もあれば事足りる。
そしてパーティメイクの簡単さも時間短縮に繋がっている。LFG（Looking For Group）リストと呼ばれるものからグループを探している近しいレベルの人を呼び込むことが出来る、私が自分から積極的にメイクする方なこともあって10分もあれば集められる。オートランで移動しながら集めれば直ぐだ。解散も各自の事情で気軽に抜けられる。
こうした点から２時間もあれば楽しめるのでゲーム好きな社会人にお奨めできる。

生産面もなかなか作りこまれていてやりがいがある。
このゲームでは戦闘のレベルと生産のレベルが各キャラ別個に有り、全てのキャラがそれを両立することも可能になっている。つまり生産キャラクターだから戦闘が苦手、戦闘キャラクターだから生産はできない、というようなことはない。
生産できるジャンルも、武器・各種防具・装飾品・食料・金庫やバッグといったスロット拡張アイテム・矢や毒などの消耗品・魔法を強化するスクロール・室内調度品などなど数多く存在する。生産品の性能も大抵のMobドロップのものより良いから生産を続けるだけのモチベーションも持ち続けられる。
また代理販売のベンダー制が存在するため、物を売るためにキャラクターを放置しなければならない、というようなことがないのも、巷に溢れる韓国量産モノとは一線を画す事柄だ。

戦闘面においては様々なバランスの良さが目立つ。
各職業系統毎のバランス、ソロ・グループのプレイ効率比（グループ必須ではなく、ソロが最も効率が良いというわけでもない）、狩場の数や難易度の上昇率など、相当に練りこまれた作りである。

インターフェースの自由度の高さも評価したい点ではある。自分好みで、画面上の配置･キーバインドを自由に変えることが出来るのだ。ただ、これはデフォルトのUIとそれをカスタムしたUIではプレイアビリティの点で相当な差が出てしまい（例えば特定のMAPの有無などにも影響する）、プレイヤーの平等性に欠ける為賛否両論ではある。

つらつらと良い点ばかりを書いてべた褒めをしているみたいだが、見逃せない短所もある。
よく言われているようにＰＣスペックを相当に要求する点や、高位の生産アイテムを作るための資源を得るには高レベルの狩場に出向かわなくてはならない点（＝純粋な生産のみではやっていけない）、正式サービスに移行した今でも大部分が未翻訳である点など、プレイヤーに拠っては致命的ともいえる欠点を持つ。
正直、完全なMMO初心者にはオススメできない。

それらを総括した上で私が申し上げることは、
ＵＯ等のワールドシミュレーター型の、ライフスタイルを重視したMMOとしては凡作だが、今日における主流のMMO・ハック＆スラッシュ型のMMOとしては非常に優れた良作である、ということだ。

プレイが出来るだけの環境があり、ある程度ハック＆スラッシュのMMOの経験もあるならば、このゲームはとても快適で楽しいものに映ることだろう。