エルソードのレビュー・評価

プレイ期間＝
感想＝プレイ期間＝正式サービスが開始された三ヶ月後くらいから
感想＝ひどい、のひとこと。

途中で運営と開発が変わったことで悪化したお手本ともなるのではないかというゲーム。

批判の前にまずは良い点を。
・オンラインの2Dアクションゲームとしては珍しく操作性が非常に良好
・キャラクターに個性が強く、しっかりと差別化されている
・加えて職業が多く、自分に見合ったプレイスタイルを持つキャラクターを見つけ出す楽しさ
・有名声優を起用しているため、そういった点を気にする方にも安心
・派手派手しいエフェクトと一気に敵を蹴散らすような爽快感溢れるスキルの存在
・プレイヤースキルを磨くことで高みを目指せるやりこみ性
・BGMも良質で、なかなか聴きごたえあり

このように良い点も多く、非常に面白く良いゲーム『だった』。
何故なら、良い点として挙げられた要素の多くは、
基本的には旧開発・運営が作り上げてきたものだからである。

では、変わってからの新開発・運営がなしてきた要素を踏まえて、悪い点を以下に。
・キャラクターバランスの劣悪さ
ある時期、新開発が大きくエルソードに一歩踏み込んだ要素として、一人のキャラクターが実装された。
とはいえ、エルソードはこの時点でプレイアブルキャラが5人いる状態で、
更に各それぞれしっかりとした差別化と特性を持っていたために、
これ以上どんなキャラクターが来るのかと期待と不安がユーザの間で渦巻いてはいたが、
いざふたを開けてみると、
これがまたエルソードというゲームと、アクションゲームというものを全く理解していないようなぶっ壊れキャラクターであった。
今までのキャラクターは基本的には一長一短であり、
例えば攻撃力が高い代わりに攻撃速度が遅くリーチが短めであったり、
遠距離からの攻撃手段を持つ代わりに近接攻撃が扱いにくかったりと、
ある程度の得手不得手が明確に出来ていた。
ところが新キャラに関しては、簡単に特性を説明するとなると、
高い攻撃力と防御性能を誇り、加えてある程度の遠距離攻撃手段も持つが、動きが鈍重。
しかしながら、その鈍重さをカバーする「ヘビースタンス」や「ヒットストップ」(二つとも後述)というこのキャラ特有の要素を有するため、ぶっちゃけ何もマイナス点はない。
つまり、従来の一長一短という要素を覆すとんでもないものだったのである。
一般ダンジョンにおいてはまだ良いものの、エンドコンテンツとしては避けて通れない対人戦となると、これがまた驚異的な性能を誇る。
「ヘビースタンス」とは、このキャラクターの攻撃動作の一部のタイミングに特殊な防御状態になるタイミングがあり、
この最中に攻撃を受けると、防御力が一定量上昇した状態で「ガード状態」に移行。
この状態ではあらゆる全ての攻撃のダメージが大幅に軽減され、さらにそこから状態が解除されるまでは「スキル発動」または「カウンター行動」するまでは状態は解除されず持続する。
何よりこの「ヘビースタンス」という状態に移行するタイミングになる行動頻度が無茶苦茶高く、はっきりいって遠距離攻撃で「ガード状態」を誘発させない限りはほとんど攻撃を加える隙はない。
要するに、格闘ゲームのような「相手の隙をついて攻撃をする」タイプの対人戦であるこのゲームで、近接攻撃手段を主にするキャラでは太刀打ちする手だてが無いにも等しいのである。
加えて、このキャラクターの通常攻撃全てには「ヒットストップ」と呼ばれる性能が付いており、
このキャラクターの攻撃を受けた相手は、仰け反りという硬直時間とは別に、完全に動きが固まる「停止時間」が発生する。
簡単にいえば、他のキャラより圧倒的に相手をのけぞらせる時間が長いという話。
これはどういうことかというと、他のキャラと攻撃がカチあってお互いのけぞった場合、相手の方が「ヒットストップ」による停止時間が加わり硬直時間が長いため、ほぼ確実に先手を取れる。
これと先の「ヘビースタンス」を組み合わせると、
「適当に誰もいないところで攻撃振ってたら敵が引っ掛かったからコンボ」
「適当に攻撃振ってたら隙をとられて攻撃食らったけど、ガード状態からカウンターしたら相手にあたってコンボ」
という途轍もない状態になる。
更にこのキャラ、プレイヤーの操作性を極端に損なわせる異常状態を付与する超広範囲スキルを有し、
適当に打つだけでほぼ画面内全ての敵に命中する上に、即死レベルのダメージを与える事が出来るスキルも有している。
極端にいえば、やり方を覚えれば猿でも勝てるレベルである。
このキャラクター実装後、それ以前のキャラクターの存在価値は圧倒的に下がり、高火力超広範囲単発スキルによる圧倒的な理不尽は、
手数で攻めるタイプのキャラを産廃レベルにまで追い込んだ。
それからしばらくして旧キャラクターの一部のキャラに追加要素が舞い込んだ。
…が。
そのうちの一人が、攻撃してるだけで一定時間「スーパーアーマー」になるという呆れてものが言えないものが実装された。
「スーパーアーマー」とは、要するにどんな攻撃を受けようとも絶対にのけぞらない状態である。
それだけならまだしも、その状態になるタイミングは、「攻撃を受けた時」
言い換えるなら、一定時間ほぼ無敵になる。
こういったゲームの対人においての「スーパーアーマー」とそれに同義となるようなものは大きなアドバンテージとなるため、
扱いは非常に慎重に行わねばバランスを即座に崩してしまう。
新開発のキャラクターが実装される前までのエルソードでは、
スーパーアーマー状態になるためのスキルを有するのは一人だけで、
発動は簡単ではあるものの持続時間は短く再使用時間も長いため、
上手く運用しなければ活かせないプレイヤーの腕が試させるスキルであった。
更に時が経ち、各キャラクターに三つ目の職業が実装される。
実装されたキャラクターは、
「「スーパーアーマー」状態になる基本攻撃アクションを有する」
「スキル一回で大幅に相手のHPを削れる」
「超広範囲または自動的に相手を吸い寄せる為に回避が超困難」
以上の要素のどれかを必ず搭載しているというぶっ壊れっぷり。
今まではコンボとスキルを織り合わせて戦うスタイリッシュなアクションゲームだったのだが、
現在では適当に攻撃を食らって(攻撃をするより被弾した方がスキル使用に必要なMPが早く溜まる)MPが溜まったらスキルを押し付け合うという不毛なゲームに成り下がった。
いくらプレイヤーの腕が高く相手に攻め入るすきも与えず攻めていても、
相手のMPが溜まればほぼ回避困難なスキルを使われ、有利に削ったHP分以上のダメージを受けることになる。
そんな状態から挙句の果てに、コンボを得意とするキャラに至っては
「相手にMPを与えるだけだから攻撃するな」
等と言われる始末。
これではバランスがどうとか以前に、開発はそもそもエルソードというゲームを、
更にはこういうタイプのアクションゲームをプレイしているのかどうか怪しいレベルである。

・運営が杜撰極まりなく、しかもユーザの神経を逆なでするかのような修正を数多く実装する
ぶっ壊れたバランスにも関わらず、行う修正は、
本家の新開発が行ったバランス修正のみ。
日本独自に出来るかどうかはさておき、全く修正するつもりも姿勢も感じられず、
その癖課金関連の要素はいち早く実装。
バグも不具合も放置で、ネットゲームとしてはあってはならない
「アイテム増殖バグ」をも引き起こしたにも関わらず、
そんな重大な状態を数日放置した上に対応はバグを修正することと、
バグを利用したと「疑われるユーザ」を永久凍結するという暴挙。
ゲーム内で報告されている不具合はいつまでたっても修正されず、
モノによっては一年やそれこそ正式サービス開始当初からあるバグすら未だに「確認中」や「修正中」となっている。
最悪、「仕様」だと言い張る場合もある。
課金ショップに陳列されている、キャラクターのおしゃれを楽しむための要素のアバターは、
一年位前に各キャラ1つ増えたきりのままで、
ガチャ系のアバターばかりを増やし、新規に対する考慮は皆無。
着せ替えを楽しむにはひたすらに金をかけろと言わんばかりの状態で、
そんな中で最近になって課金方式を変更。
運営会社の課金通貨を利用して購入出来ていた課金アイテムは、
運営会社の課金通貨を使って「エルソードの課金通貨」を購入し、
それで購入する形式に変更。
ユーザの手間を増やし、何が変わるかと思えば、
その通貨にはなんと五ヶ月の有効期限付き。(運営会社の課金通貨には有効期限がないか相当長い)。
明らかにプレイヤー減少傾向に対して少しでも金の搾取の無駄をなくそうという胸糞悪い魂胆が見え見えである。

総評として…
何もかもが劣化に劣化を加え、産廃にまで成り下がった非常に残念なゲーム。
このゲームをやめるタイミングは、対人をやらないのならレベルカンストまで。
対人をやるのなら、使用キャラが弱キャラの場合はあまりの理不尽さに。
使用キャラが強キャラならあまりにも簡単に勝てすぎて飽きる。
既に昔のエルソードの開発・運営に携わっていた人物はほぼいない(開発に至っては新会社を起業している)ため、
今後何かしら修正が来ることを期待しても無駄である。