マビノギのレビュー・評価

プレイ期間＝Cβ
感想＝
1年待たされただけのことはありました。
クローズドベータにしてこの完成度とは……

ジャンケン的要素の3すくみを基軸とした戦闘は、
敵AIの思考力も相まってとても手ごたえを感じられるものでした。
一般的な動物型Mobに関してはある程度ルーチンが似通っていますが、人型上級種のMobは状況に応じた武器持ち替えを行うなど判断力が高く、精霊型の敵は3すくみ以外の要素、魔法を含めた多次元戦闘を展開してきたり、と一筋縄では行きません。しっかり立ち回ろうとすると思考的なプレイを求められ、飽きが来ません。

PTとソロのバランスも良いです。ソロ派の人はフィールドでＰＴクエスト絡みではない敵を狩ればサクサク上がります。が、campするとキャンピングペナルティーが課せられるので、常に狩場を移動させた流動的な狩りを求められます。これにより定点狩りによるリソース争奪問題が解消されているので、快適に狩りを続けられました。
ＰＴはＰＴで、ダンジョン攻略やＰＴクエスト消化のために、目的がソロプレイヤーと別になります。
ソロで狩れない敵もPTなら狩ることができる。
３すくみの戦闘だからこそなのか、背中を任せる仲間の心強さを、他のどのMMOより強く感じさせられました。
戦闘に関しては満点の出来だと思います。

また、世界観も非常によく表現されています。
良いMMORPGは世界観と生活感を感じされると言いますが、プレイされた方はほぼ全員感じられたのではないでしょうか。
朝・昼・夜と移り行く日の光と時間。街中を歩くイヌやニワトリたち。牧歌的な音楽。町の人たちに頼まれて、羊毛を刈ったり、稲を刈ったり……お腹が空けば食事をし、食事の内容次第では太りもすれば痩せもする。
「まったり」という言葉がこれほど似合うゲームは無いのではないでしょうか。


がしかし、それら以外の要素に不満が残ります。
まず生産。
他の方が挙げられてます様に、Cβ段階では非常にバランスの悪い仕様となっております。
利益を重んじた生産を考えるなら、作っても作っても赤字かカツカツの状態ですので大変具合が悪いです。
が、それを除けば生産物は装備品として外見にダイレクトの反映されますし、性能も出来次第では通常の店売りのものやレアモノよりも高性能です。
また、ミニゲームの出来によってクォリティーが変化するので、やり甲斐は感じられました。
採算度外視で生産という行為自体に楽しさを感じられる人には良いかもしれません。
（韓国じゃこの辺りのバランスは良くなってるそうですが）

次に、チャットなどのコミュニケーション部分。
これも別の方が仰られていますが、若干使いにくいです。
チャットのメッセージを打ち込むウィンドウを空打ちEnterで開閉させるシステムは、MoEやパンヤなどで最近見受けられるようになりましたが、直感的に使うには少し面倒です。間違えてショートカットが発動したりすることがありますし。
感情表現手段も微妙ですね。（怒）や（喜）など、特定の文字を打ち込むとキャラの表情が変わるのですが
、表情が見える範囲の相手にしか感情が伝わらない点や、メッセージログに「（喜）」などの文字が残ってしまう点、表情の変化が漫画的すぎて、キャラの顔から浮いて見える点など・・・
有効に使えるものは数点です。

これらのマイナス要素は気になるところではありますが、それらを補って余りある程の素晴らしい世界と戦闘があります。

Cβ段階ゆえ正しい批評にはなりませんが、
生産面の悪い部分は今後のバランシングと考え方次第で変わるので、戦闘や世界観によって満点のところをコミュニケーション部分によるマイナスを取って8点とします。