TERAのレビュー・評価

プレイ期間＝2日間

感想＝既に、課金をしてまでオンラインゲームをプレイしようとは思わなくなった1プレイヤーの感想です。
無料体験ができるというので（まだ始まったばかりなのに！）あの麗しのTERAをプレイしてみました。
キャラメイクは流石ですが、それも、作り終わるまでです。
実際にプレイをしてみると、そこはかとなく、肌感が蝋のようで、まるで蝋人形を操作しているようです。
体型なども変更できず、その点ではAIONの方が、肌感も体型なども変更できて、自由度が上でした。
期待が大きかった為、実際に触れてみると、大したグラフィックではないことに気が付いてしまいました。

ただ、グラフィックでも、景色だけは、最上級の出来だと思います。
AIONよりも、その他の現存するどんなオンラインゲームよりも、景色だけは上だと思います。
ただ、その景色も、キャラが歩き回れることができる範囲内での話です。
マップはまるで、FF13か何かのように一本道で、歩き回ることができる範囲は非常に狭い。
例えば、凄い崖があったとしても、そこを飛び降りるどころか、近付くこともできない。
一見すると壮大な奥行きがあるように見えるが、文字通り絵に描いた餅であり、触ることもできないのです。
あたかも、紙芝居の中の世界には入って行くことができないように、道筋から、景色に触れることはできない。

そして、TERAのゲームとしての内容は、文字通り、いつものオンラインゲームという感じです。
ただ、クエストをこなして、指示された敵を倒して、その繰り返し。
言うなれば、そのクエストをこなさない等という選択肢は存在せず、100人がプレイしたら、100人がまったく同じ道筋を歩む、そんなゲーム。
個性も人格も何もなく、ただ言われた通りに、コンピューターのように、同じ道筋を歩いていくゲーム。

すばり、TERAは、画像の綺麗なファミコンです。
ファミコン、やったことありますか？
例えば、突然横スクロールの世界で敵が出てきて、倒したり、ダメージを負ったりしながら、先へと進んで行く。
ボスが出てきたら、ボスを倒す。
全員が全員、同じ道筋を歩んで行きます。
ワープゾーンがあったりして、多少は道筋を変えることもできるかもしれませんが、大概は同じです。
TERAというゲームは、このゲームと同じです。
違う点は、ファミコンよりも綺麗で、2011年のレベルの映像だということ、他にも同時プレイをしている、他のプレイヤーがいるという点です。
しかし、それだけ。

例えば、レベル制というシステムがなくて、レベル1とレベル50でもPTを組めるのなら（現実にはこういうこともあるでしょう）、人と一緒に遊ぶという点で、TERAはファミコンよりも優越する可能性がありますが、TERAでその他人と一緒に遊ぶという点よりも優遇されているのは、レベルの違うプレイヤー同士が遊んではいけないというシステムです。
人と一緒に遊ぶくらいなら、モンスターを狩れ、という指示もあります。（つまり、クエストのこと）
ただ、モンスターを狩っているだけではつまらないから、装備や経験値などという御褒美が与えられます。
つまり、この時点で、御褒美＞モンスター等のNPC＞他プレイヤー、という図式が成り立ちます。
そこには本当の楽しみはなく、あるのは、ただ敵を倒して行く、横スクロールオンラインゲームというわけです。
横スクロールのゲームをプレイするのも良いですが、それは所謂、買い切りのゲームであって、何ヶ月も継続してお金を払って遊ぶ性質のゲームではありません。

韓国人は、初期にラグナロクオンラインやリネージュなどで当てて、その成功をトレースする形で、様々なオンラインゲームをリリースしましたが、オリジナルのゲームのどこが良かったから売れたのか、それを理解しないままにトレースを繰り返した挙句に、既に、オリジナルのものよりも劣化させてしまっています。
初期のものは、まず、世界という箱庭があり、その中でプレイヤーが住んでいけるようなものでした。
現在では、その時のレベル制などだけを見て、レベルを上げる為にはどうしたら良いのか、そのシステムの為だけの世界になっています。
肝心な、人が住む為の仮想世界を作るのではなくて、低レベル狩り場、高レベル狩り場、インスタントダンジョン、ほとんどが、レベルや装備の為のものばかりです。

愚か、としか言い様がありません。
これ以上は、製作者自身が考えて欲しいことなので、ここら辺で止めておきます。

つまり、TERAは、綺麗なファミコンです。