リネージュのレビュー・評価

プレイ期間＝oβから約1年

自分にとっては思い出のゲームの一つ。これやガディウス・アスガルド・ラグナロクオンラインなどは日本にMMOブームを巻き起こした火付け役であるとは確かに言えよう。タイトル発表当時、コア層にはすでにUO/Diabroなどの名作の存在を知られていた事もあり、今更感が強いという批判もあったのだろうが、宣伝の甲斐もあり、日本でも著名なMMORPGとして名前を残した。

システムはDiabroのそれをそのまま取り入れたような作りになっている。一言でいってしまえば韓国産業お得意の「パクり」だが、当時MMO業界に目を向けていなかった日本企業に先んじて、日本人受けする要素（グラフィック・やり込み要素）を盛り込んだタイトルを喧伝したのはまさに大成功と言って間違いないだろう。

ただ、このゲームには同時にMMORPGの問題もライト層に教え込むことになった。やり込みを目指すあまりに実生活を疎かにしてしまうと言われる「廃人」の存在(本来はここが発祥ではない)、人間が共に存在することで必ず起こり得る諍い（PK/詐欺など）やチート問題などを管理する「運営」の重要さ、とどめにやり込み要素のあるゲームには必ずと言っていいほど出現する「RMT業者」の存在などが問題視されることとなった（当然これらの要素は当時すでに出ていたタイトルでも問題視されているが）。

また、単調にクリックを繰り返すばかりで退屈、だとか戦闘以外に何かすることはないのだろうか？　という不満が見られたり、そうした者の多くはUOなどの万能型MMORPGへ流れていった。かく言う自分もそう思っていた一人だった（ボーンセットを作成する際、この作成をやりたいなあと考えていた）が、当時はなぜか洋ゲに対し、勝手に敷居の高さを感じていたので、リネージュを離れた後もそちらへ移る事はなかった。少し後悔している。

また同時に提供元であるNCSoft側と、ユーザとのいざこざもあったことを覚えている。敢えてこの運営会社に限った話ではないとはいうが、韓国の運営会社は傲慢で、ユーザをあまり大事にしない。これらは自分はここやその他韓国ゲームを渡り歩くうちに知った。

今となっては韓国産MMORPGとはひたすら粗製濫造され、何が剽窃で何がパイオニアなのかすら見えない程の状況である。もはやその中でこのタイトルは「初期に作られた典型的韓国産MMO」としか思われていないだろう（このゲームそのものを否定するわけではないが）。とは言うものの、MMORPGの存在を日本に大きく知らしめたという功績だけから、そこそこ甘い点を落としておく。成長を楽しむことを目的とするゲームが欲しい、という意味でも今更遊ぶゲームではない､という事も付け加えておく。