リネージュのレビュー・評価

プレイ期間＝１年超
「出稼ぎ」と呼ばれるRMT目的の組織が蔓延し始めた頃から休止、最近財産整理も兼ねて接続してみた感想。

まず、これだけのユーザー離れにあっても、ゲーム内の経済は崩壊していない。不平のつのるダウンデートではあるが、アップ頻度も他のゲーム（除β期間モノ）よりは精力的と言えるし、バランスを度外視した安易な延命対策ではない点は評価できる。

また、BOT・加速器・２セル等のチート対策に関しても、とうとう最大手とも言えるリネサポへの休止勧告が入り、あるいは毎週の定期メンテで必ずファイル更新されることにより、全盛期と比較すれば規模はかなり縮小していると言える。
（サポに関してはマゾ度の緩和という点で賛否両論だが）

もともとのゲームシステムが、既に批評の余地がないくらい秀逸な評価を得ているのは誰の目にも明らかで、そこで育まれた濃い人間関係、一般人すら一人前の廃人に仕立てる中毒性、単純計算で上限lvまで人間１人一生分の時間を要する（要するに限界がない）といった要素のせいか、有名どころの廃人は軒並み引退復帰を果たしている様子。

にもかかわらず、依然として新規参入の気配はなく、緩やかな末世観が支配している原因はといえば、残すところただ一点、RMTに対する対処の甘さであろう。

「出稼ぎ」がほとんどいなかった頃、早朝の接続人数は500人程度、ラッシュ時で3000人超。
ひるがえって現在は早朝1500人、ラッシュ時2500人。
既にユーザーの半数以上を24時間営業の「雇われ外国人」が占めていることは容易に想像できる。
そして問題の本質は単なる鎖国的な発想などではなく、運営側が、こうした「出稼ぎ」行為の全面的な禁止を利用規約に盛り込みながらも、治外法権と見紛うような緩い管理態勢で看過している点にある。
むしろ、「出稼ぎ」による供給過剰がもたらした今回の物価修正で、正規ユーザーは「出稼ぎ」容認の気配すら感じたことだろう。
出稼ぎ＝最大の顧客といったレビューが後を絶えないこともそれを物語っている。

いかに優秀なゲームといえど、何をやっても苦痛でむくわれない世界に魅力などない。

制作会社のある韓国本国では、政府も認める国際競争力をもった企業という立場から、2004年4月の段階で既にRMTを規制するよう正式に韓国政府への要請を果たしている。
あるいは、ユーザーが団結して企業・国に賠償請求することも珍しくない。

RMTという問題自体、リネの枠に留まるものではないが、最大の占有率を誇るリネ・ケースでは、ひょっとするとMMOゲームを育てられない日本のユーザーが試されているのかもしれない。

なんて脇道にそれたクサいレビュー失礼。