HN/BBB 【後どれくらいサービスが続くと予想?→数年】
見出し/F2Pで作ったことがこのゲームの最大の不幸
評価
(5)
プレイ期間=1700戦ほど
感想=
ゲームプレイ部分はとても良いが、F2Pで作ることによってゲーム性が歪み、プレイヤーから純粋な楽しさを奪っている部分の罪がとても大きい。
ゲーム自体は一般的なFPSのようなゲームが苦手な人でも楽しめる遅めのゲームスピードであり、瞬発力だけではなく、戦略性が重要になるところが非常に評価できる。
しかしながら、このゲームはマッチング、課金周辺要素、プレイヤー教育の3つの点でプレイヤーに常に苦痛を強いてくる。
まずマッチングは特殊なもの以外は3ティアの幅で行われるが、一番下のティアでマッチングされてしまった場合、プレイヤー単位で見れば大きなハンデを負ってプレイすることになり、車両やその開発段階によっては最悪の場合全く役割が持てず、命と引き換えに敵の位置をしらせるのがせいぜいという捨てゲーに近い状態になってしまう。
WoTファンはボトムにもできることがあると常々言うが、たしかに運次第ではできることもほんの少しだけ残されているが、それが楽しいかどうかは非常に好みが分かれるだろう。このことは課金周辺要素とも関係してくる。
WoTはF2Pのゲームである。ゆえに課金によって採算性を維持しているが、プレイヤーに課金をさせるためにはインセンティブが必要になってくる。
そのインセンティブの一つが前述のマッチングだ。通常の戦車は前述のようなマッチングにより、常にある一定確率で(どちらかと言えば)狩られる側の立ち位置で不利な戦いに放り込まれる。しかし、一部の課金戦車は、このマッチングで優遇されており、2つ上のティアとは戦わずに済むようになっている。
逆説的に言えば、課金戦車を買わせるために、通常戦車の厳しいマッチングシステム&課金戦車のマッチング優遇が設計されているということだ。
またWoTファンの間でまことしやかに語られるのは、課金戦車だからって強いわけじゃない(or無双できるわけじゃない)ところがWoTの良い所だということだ。
ゲームシステムが元々そう簡単に無双できるものではないし、集団での行動と戦略性が重要なゲームなので、これには一部同意するが、多くの課金プレイヤーが好んで買う課金戦車はやはり通常戦車と比べると多くの性能で優っているものが多々あり、マッチング優遇と併せてかなり有利であることは間違いないので、初心者は鵜呑みにしない方がいい。
また、WoTにおける課金通貨単位であるゴールドで買える課金弾というものがあり、これはゲーム内で稼げるシルバーという比課金通貨でも高額ながら買えるという免罪符はあるが、最終的には時間的リソースから捻出されるシルバーと違い、課金すればいくらでも投入できるので、ゲームの公平性は若干ながら歪んでしまっている。
最後にプレイヤー教育の問題だ。このゲームでは、noobと呼ばれる"学ばない初心者"や彼らの取る行動がゲームの勝敗や、ゲーム体験そのものの楽しさを大きく左右してしまうことが大変良く起こる。
海外製のゲームは死んで学べという姿勢のものが多いから普通だという反論もあるが、このゲームの場合、一試合の中で一回死ぬともうリスポーン出来ないというシステムなので、チームメイト一人一人の行動が、通常のFPSなどのゲームと比べて非常に大きな意味を持つ。
このような特徴的なシステムを持つWoTなのだが、ビギナーへのチュートリアルはとても充実しているとはいえず、まともに勝てるようになるにはかなりまじめな独学が必要になる。
独学ができる人は良い。しかし、大変広い層に受け入れられているこのゲームでは、死んでも学ばないタイプの人も大量にいるため、「noobが少ないほうが勝つ」というような言説がファンの間でも良くでるように、まじめにプレイする人間がマッチング次第で苦痛な試合を引き受けなければならなくなる。
対戦型のゲームというのは、基本的には公平性が重要である。
統計的に見れば公平だというのは簡単だが、純粋に楽しむためには、一回一回のマッチにこそ公平性は必要なのだ。
F2Pで設計してしまったがために何らかの歪みを抱えてしまうというのは、F2P回ではふつうのことなのだと思うが、
ゲームの中身自体は非常に良く出来ているゲームだけに、有料のパッケージゲームとして製作されなかったことが残念でならない。
WoTから学んだ一番大きなことは、現実の戦場でもnoob的行為のせいで死んでいく人間がたくさんいるのだとすると、自分は絶対に戦争には参加したくないという核心である。
2014年4月17日(木) 5:43:29