World of Tanks（ワールドオブタンク）のレビュー・評価

プレイ期間＝半年
感想＝
WW2前後の名戦車が多数登場しますが、史実についての知識や興味がないほうがむしろ楽しめると思います。
むしろ、史実の戦車戦を再現したいと思うような人には全く向いていません。
戦闘マップは最大でも1kmですし、最大視界が700m、実際に敵を発見できる距離は400ｍ前後です。史実の戦車戦と比較したら箱庭です。
さらに地形の関係もあり実際の戦闘はほとんどが100〜300メートルの超至近距離で行われます。
さらに「視界」というシステムのせいで、視界に入った戦車は突然出現し、視界から出た戦車は虚空へ消えて見えなくなります。
300ｍ先にさっきまではっきりと視認していた5mサイズの物体が次の瞬間全く見えなくなるなど現実には考えられませんがこれはそういうゲームです。

基本的にどの戦車も機動力がやたらとブーストされており、重戦車が軽戦車のように身軽に動きます。トランスミッションへの負荷とかいう概念はこの世界にはないようです。
さらにどの戦車も史実では考えられないような馬鹿でかいサイズの砲を積めるため砲威力がインフレになっており、相対的に装甲の価値は「ないよりはマシ」程度まで低下しています。ティーガー�TやT-34など史実ではそこそこの装甲ですがこのゲームではどちらも装甲など無いも同然です。

車両は戦間期から戦後第一世代まで登場し、もちろんWW2で勇名を馳せた戦車も多数登場しています。
ただ史実で活躍した車両の多くは意図的とも思えるひどい扱いを受けており、史実で活躍した戦車に憧れてこのゲームを始めると非常にストレスが貯まります。
M4シャーマンや�W号戦車、KV-1、T-34などが並ぶ戦場では史実ではまともに走行すらできなかった日本のゲテモノ100トン戦車が中戦車かと思うような速度で走りぬけていきます。
ティーガー�Tと同じ戦場には落書きレベルのアイデアしか存在しない謎の架空日本重戦車がティーガーを遥かに上回る装甲で登場します。
極めつけは自走砲で、何故か知りませんがリアルタイムで衛星画像のように戦場を上から眺めながらピンポイントで砲弾を叩き込んできます。自走砲ってそういう兵器だったっけ？？？

まとめると、箱庭の中で架空の戦車が走り回り、史実の戦車もありえないほど大威力の砲に換装して装甲など無いも同然の状態で謎の精密遠距離砲撃を避けつつ至近距離の殴り合いをするゲームです。
このように、そこらの仮想戦記のほうがまだマシといった程度のリアリティしかないゲームですので、史実の戦車戦が好きな方はやらないほうが賢明です。
そのあたりを割り切れる、もしくは最初から気にならない人であればゲームシステム等はそれなりに楽しめるものではあると思いますが、私はダメでした。
同じ会社のWorld of warshipsは少なくとも今のところそれなりに史実に沿った作りなので最近はほとんど駆逐艦に乗ってます。軍艦の方は史実好きでも結構楽しいですよ。