World of Tanks（ワールドオブタンク）のレビュー・評価

プレイ期間＝3年弱

【いいところ】


▲「各国のいろんな戦車に乗れる」

これがこのゲームの最大の長所であり、また個性と言えます。
登場する戦車はWW1末期から第二世代MBTぐらいまでで、実装済みの国の有名な戦車はほとんど網羅されています。
試作車や実験車はもちろん、ペーパープランのみの戦車や、果ては「そういう計画があったらしい」レベルの話から創作された戦車も多数登場します。
各車両の個性もなかなかに際立っており、「名前がとグラが違うだけで性能は似たり寄ったり」というような適当なスタイルとは無縁です。


▲「優れたビジュアル」

戦車ゲーなだけあり、戦車のモデルにはかなり気合が入っています。
OVM（車外装備品）やウェザリングなどにもかなりのこだわりが感じられ、格納庫でアップなどにしても十分鑑賞に堪えうる出来です。


▲「アクションゲームが苦手な人でも大丈夫」

TPSとしてはゲームスピードはゆっくりめな方であり、また基本知識ゲーなため、反射神経や操作精度といったようなアクションゲーム的な要素はあまり要求されません。


▲「（戦績を気にしないのなら）課金圧はそれほど強くない」

本作は基本無料であり、課金による補正は「獲得資金・経験値の所得効率」でしかないので、課金せずとも遊ぶこと自体は問題なくできます。
強力な課金車両もありますが、非課金車両に比べて「それさえあれば勝てる」というほどの性能差ははありません。



【悪いところ】

▽「マッチングがクソすぎる」

間違いなく本作最大のマイナスポイントです。
このゲームの主流であるランダムマッチでは、マッチングに際して
・各プレイヤーの実力
・車両の開発度
・オプション装備の有無
・車両自体の相対的な強弱
などといった勝敗を分ける要素が一切考慮されません。つまり
「フル開発＋スキル6個持ちの100%乗員＋オプションフル装備のIS-3を使う、戦闘経験5万超のプロゲーマー」も
「初期状態＋スキル0の50%乗員＋オプション装備なしのTigerIIを使う、戦闘数1200戦の初心者プレイヤー」も
マッチング上では同じ戦力としてカウントされてしまいます。
よってランダムマッチでは「戦力が均衡した試合」というのがほぼありえず、大抵はどちらかのワンサイドゲームになります。
この理不尽極まりないマッチングシステムのため、勝っても負けても納得がいかず、常にイライラさせられます。


▽「ゲームバランスもあまりよくない」
マッチング上で同格とみなされるライバル車同士でかなりの性能差がある場合が多く、バランスは悪めです。
最上位車両と最下位車両では統計勝率に10%以上もの差がつくこともあります。
またマップ（地形）のバランスも悪く、こちらもやはり10%ほどの勝率差が出ているものが少なくありません。
これらに対する調整頻度も総じて低く、根本的にバランス調整に対する意識が低いです。


▽「民度は全体的に低め」

クソすぎるマッチングと微妙なバランス調整のせいでプレイヤーは終始イライラしており、民度も低めです。
ののしり合いや妨害は日常茶飯事、FFのペナルティもゆるいのでTKも珍しくありません（体感ですが20戦に1回ぐらいはTKが出ます）


▽「戦車好きには『？』となる部分がけっこう多い」

有名戦車が多数登場しているのはいいのですが、戦車ファンのイメージと乖離している車両が少なくありません。
典型例で言えばドイツのTigerII（キングタイガー）などで、史実では「強力な防御と火力を兼ね備えた、WWII最強の重戦車」として知られていますが、
ゲーム内では紙装甲・並火力・鈍足を兼ね備えた同格屈指の産廃であり、目当てに始めたプレイヤーは落胆間違いなしです。


【総論】

マニアではないけど戦車は好き！という人には悪くないゲームですが、対戦ゲームとしての出来は正直かなり微妙です。
特に「確かにクソバランスだけど、全員に対して平等にクソなんだから問題ないよね？」という共産主義的マッチングは非常にストレスがたまります。
「初心者狩り」「TK」「理不尽ワンサイドマッチ」など、最近の対戦ゲームでは対策されていて当たり前のことが出来ておらず、ぶっちゃけガワを除けば非常に古臭い作品と言えます。