Master of Epic（マスターオブエピック）のレビュー・評価

プレイ期間＝３年
感想＝運営が自重しなくなりました

ゲーム自体は、とても良くできた内容とバランスだと思います。それが過去になりつつありますが。

もともと洋ゲーライクに作られたRAから始まり、MoEに移行する中で、根本にあるのは「ロールプレイングする」ことが前提であったはず。
スキル制のバランスもよく、グラには時代を感じますがモショーンなどの動きや作りこみには開発の意気込みが感じられました。むしろこのグラフィックに馴染んだプレイヤーは、現状が好みという人も少なからず。

いろいろ良い部分は多いです。それは今までも書かれている部分が重複しがちなので、割愛。


最近は悪化の一途を辿っています。
RPGでありながら、ロールプレイングではなくなりつつあるユーザーの感覚…とでも言うのでしょうか。
ゲームの中ではなく、課金でアバターを集めることに特化しつつあります。
生産関連のアイテムも、次第に課金が絡む様になり、純粋にゲーム内だけで出来ることに関しては、その制限が増えてきました。

非常にバランスの良かったスキル制ですが、これも調整の度に、狩りなら特化構成、ネタキャラ、生産キャラと複数作ることが当たり前になっており、そのためかクラス制に近い修正が入るようになりました。
器用貧乏でもそれなりに有用な活用が出来ていた部分が、次第に削がれていっています。
これは開発側も「スキル制」を理解しておらず、「クラス制」の他のRPGなどの範疇から飛躍できない思考のせいだと思います。
言ってみれば、開発もプレイヤー側も日本人的。新しい事や独自性を作り出すのが苦手なせいでしょうか。
現在は一般的なLv制の他タイトルに近い調整内容が続いています。

課金に関しては、運営する以上必須なことであるとは思いますが、課金で実装されるものが生産職の出来ることを喰っている部分が多く、裁縫スキルには全く新しい要素が無い代わりに、課金の趣味の悪いアバター装備が乱発され始めています。
さらに、今まではほぼ無意味だったアバター装備にもMoEとしては強力な補正値がつくようになり、ますます生産職の領域を潰す形に。

この運営の有様を呼び込んだのは、運営はもとより、ユーザーそのものと言っていいかもしれません。
言葉は悪いですが、良く飼いならされたユーザーが多いです。
最近では、新しい課金装備が出る度にとっかえひっかえ着せ替えをし、それを見せて課金の話題でチャットを楽しむ。そんなユーザーが増えてきました。
これでは他の量産タイトルとあまり変わらず。MoEがMoEらしかった部分は次第に薄れていると思います。
課金アイテムの乱発により、課金アイテムがゲーム内でトレードでの金策手段として一般的になった部分も、MoEの生産と流通のバランスの良さを食潰す形になってきています。

運営が季節イベントを課金イベントと勘違いしている部分も×。
未実装部分を放置して、課金アイテム作りばかりしている部分も×。
ようやく新MAPを実装したりする部分は評価できますが、それ以上に課金のバランス感覚の酷さが目につきます。この調子では、後半年ないし１年ほど後には、酷い事になりそうです。


総じて、世界観を潰しバランスを壊し続ける運営と、それに疑問を持たないユーザーが増えたことで、このゲームが他タイトルに対して持っていたアドバンテージは失われつつあります。

２年前までなら評価は１０。
現在は運営の匙加減とユーザーのプレイスタイルを見るに、評価は４。

良作だっただけに、この先が残念に思われます。