Master of Epic（マスターオブエピック）のレビュー・評価

プレイ期間＝5年
感想＝
今のこのゲームのイメージとしては、「人がいなくなって田舎になった場所」です。

幅と自由度のあるスキル制で、個性のあるキャラを作ることができました。
スキルの合計に上限があって、この上限によって「一人で攻撃も回復も生産も採集もなんでもできる英雄」が生まれることはありません。これが生産、販売のコンテンツを発展させてひとりひとりのロールプレイを促進させてきた要因になっているので、ゲームそのものはすごくいいです。
何かと不便な点はあれど、このスキル制のシステム自体は現在のネトゲに参入しても普通に生き残れる、と個人的に思うくらいにはよくできているゲームです。
スキルの上限の低さ故に人々が協力し合い、ネタからガチまで個性あふれるスキル構成を考え、復帰も新規もキャラを完成させやい、という環境があったため、よく「いつでも帰れる」と言われていました。

ただし、これらの良いところは近年のアプデでユーザ数と共に次々と消えています。
例を挙げると
・強力な課金技、ペット、スキル制限を事実上緩和する課金装備の登場
・コンテンツが全くと言っていいほど実装されない（課金ガチャだけ更新される）
といったものです。
課金アイテムが強すぎるので、スキルを工夫した無課金装備数人より重課金で固めた一人の方が強いくらいです。このため、前述の上限の低さによる魅力はなくなりました。実際、生産は消耗品を補充するだけのコンテンツになり、対人は人がいなくなりました。
死にコンテンツが増える一方で、新たにコンテンツが実装されることはほとんどありません。某ＭＭＯだと、大型の新パッケージが出るレベルの期間で課金ガチャの更新だけが続いたり、たまにお粗末なイベントがあるくらいです。ユーザが企画しないと本当に何も起こりません。
課金アイテムが前提になっており、有用なアイテムをゲーム内通過で手に入れるのはハードルが高いため、どうやっても「いつでも帰れる」ゲームではありません。
ただ、コンテンツが追加されないということは無理に急いで他の人に追いつく必要がないということなので、のんびりやるならいいんじゃないでしょうか。


人が減ると、他ゲーに行けない古参による閉鎖的なコミュニティばかりが残り、人がいれば排斥されるような態度の人も残っていくため、さらに人が減るという悪循環である意味いま残っているユーザーは洗練されています。
とはいえ、なんやかんやいい人もいっぱいいるし、何らかのコミュニティに溶け込むことができて友達に恵まれればそれなりに楽しめます。
過疎であれど、遊ぶ相手がいれば楽しいゲームです。前述の追いつくのが大変というのも人に恵まれれば生産装備を作ってもらうなどして下地ができるので幾分楽になります。

以上のような環境のため、ゲームとしては縮小していくと思います。
人は減り、それに合わせて人が減っても減った分と同じ強さの課金装備が増えるという循環です。アプデやエンドコンテンツの追加に追われることもなく、のんびり遊ぶでも良し、人とおしゃべりするでも良しの世界です。
キャッチコピーにある「オンラインゲームに疲れた方へ贈る」というのはある意味的を得ています。
楽しさがあふれている、とは言えないし、こんな環境なのでいつサビ終してもおかしくありませんが、熱心に課金する人たちのおかげでそれなりに続くと思います。
やるなら「田舎へ行く」くらいの感覚でやった方がいいです。
最近のせっせと忙しいオンラインゲームやソシャゲに比べたら、のんびりしてるしただ捨て置くには惜しいと思っています。