Tree of Savior（ToS）のレビュー・評価

プレイ期間＝1年半
感想＝類まれなるちゃぶ台返しゲー

日本での正式サービス開始から2年経つが、基本的なシステムがまったく確立していない。
そのためユーザー間で「ちゃぶ台返し」と呼ばれる大規模な仕様変更が概ね2ヶ月おきに実施され、その度にスキルやステータスの再調整、および高額装備の変更が必要になったりする。
再調整で息を吹き返せばまだ良い方で、どうやっても大幅ナーフの影響を払拭できず別キャラでゼロからの再出発を余儀なくされる場合も珍しくない。

装備の強化では、入手困難なレジェンド装備と比較的簡単なユニーク装備の性能差が乏しく、運でしか決まらない精錬の結果がすべてになっている。
先日の公式イベントで成功率を大幅に上げるアイテムが無料配布され既存プレイヤーの多くが高精錬武器を手にしたが、今後は有料ですら提供しない方針が取られているようで、新規参入プレイヤーが追いつくのは極めて難しい。
総じて、努力を積み上げて強くなるというMMOの一つの遊び方を完全に潰しているゲーム。

変更の方向性にも一貫性が見られず、極端から逆の極端へ調整されるのが平常運転、そこから更に元の極端へロールバックされることすらままあり、都度思いつきで調整されているように感じられる。

またビルドシステムによる育成の多様性を売りにしているが、属性相性など各クラスを特徴づける要素は弱く、攻撃スキルはどれもエフェクトが違うだけのものでしかない。
さらに支援職ではコンテンツの乏しさの影響を受け、現存するコンテンツに向いたごく一部の組み合わせ以外には全く存在意義がない。

これらの影響で、サービス開始時と比べてプレイ人口が0.1%ほどになっているのは有名な話。
それでもシステム自体は「ちゃぶ台返し」を繰り返す度に少しづつマトモになっているように感じられるので、現状を長いβテストと考えてあと5年ほど経てば面白いゲームになっているかもしれない。
それまでサービスが継続できればの話だが。