Tree of Savior（ToS）のレビュー・評価

プレイ期間＝1ヶ月

良い点としてキャラビルドの自由さが挙げられる。
その自由度の高さはクラス数の多さに因る所が大きいのだが、
横ではなく縦に幅があるのが最大の特徴だろうか。

まずは近接・遠距離・魔法・回復の4系統から大枠を選択し、
例えば魔法職ならウィザード→パイロマンサー→リンカー→…といった様に、
積み上げるようにして選択して行くことになるため選択の幅が大きい。
更には気に入った職を最大3回履修することが出来るため、
上記の代わりにウィザード→ウィザード→ウィザード→…
等のように気に入った職を重点的に強化することも可能（というかそれが普通）

このシステムには育てる楽しみがある反面、無視できないデメリットも多い。
標準的な火力職以外にも、罠師や召喚師の様な変則的な火力職、
盾職や支援特化職、戦闘では完全なお荷物の生産職といった物まで含まれるため、
戦闘バランスははっきり言って非常に悪いのだ。

また、基本的にスキルの性能が全ての、所謂スキルゲーであるため、
気に入った職でも下位職（のスキルを）使い続けるのは難しい。
例えば上記のパイロマンサーはランク2のクラスであるため、
最大3回の履修を行ってもランク4相当までしか強化できない。
完全な火力特化であるため、スキルの威力が相対的に低くなると無価値になり、
高ランクになってしまうとパイロマンサーとしての職歴は無駄になる。
魔法職なら高ランクの魔法スキルを使えるのでまだ救いはあるが、
回復系統の中にあって殴り特化のモンク等、異色なクラスには深刻な問題である。

育成の自由度は高くとも、全体的な自由度が低いのも大きなマイナス。
基本的にやることは敵を倒してレベルを上げるくらいしかなく、
その上狩場の選択肢も殆ど無い。
必然的にテンプレートな育成に落ち着く形になるため、
折角のビルドの自由さが活かせない。

グラフィックやストーリーは丁寧に作り込まれているし、見るべき所もあるのだが
個人的にはROの様に、クレリックだから得意な不死系のMOBが多い狩場に行くかとか
レアアイテム狙いであそこに行くかといった感じの自由度を期待していたため、
取り敢えずID周回してレベル上げるだけというありがちなMMOになってしまったのは期待外れで残念だった。