サドンアタックのレビュー・評価

プレイ期間＝正式サービス以降
感想＝良くも悪くも普通のFPSというのが率直な感想。
覗き込みやホフク、抱え撃ちの概念も無いがジャンプや歩行/走行調整、ラジオ通信やスコープを覗き込んでの狙撃などFPSとして基本的なことは一通り出来る。
グラフィックはリアル系としては並。汚くもなければ綺麗過ぎるというほどでもないため、ロースペックユーザーでもストレス無くプレイできる。ゲームの動作感は同クラスであるWarRockに比べ非常に軽い。
環境に関して無料でここまでの仕上がりならば充分良質だろう。
プレイ感覚は、TC:Eなどのリアル系よりは寧ろQuakeやUnrealのようなスポーツ系FPSに近い。

ゲーム形式は俗に言うカウンターストライク形式で、目標物に爆弾を仕掛けて爆破するタイプ、目標物を奪取して自陣へ持ち帰るタイプ、二軍に分かれひたすらお互いを殺しあうデスマッチタイプの三つが楽しめる。
ステージ内に戦車やヘリなどのガジェットは一切無く、純粋に銃撃での応酬になるので、撃ち合っている所に爆撃や砲撃といった強烈な横槍が入る事は無い。
WRやUnrealなどで、戦車や戦闘機に一方的に蹂躙され嫌気が差したというような不運なプレイヤー（筆者含め）には嬉しい要素である。

しかし欠点として、収録されているステージの多くが非常にスナイパーにとって有利な構成であり、また弾丸の当たり判定に関しても比較的ヘッドショット──頭部に弾丸を命中させ、高ダメージor一撃死させる事──し易い仕様になっているために（ハンドガンはおろか、遠距離からのショットガンでさえも意図的にHSする事が容易。HS自体の判定は鼻より上の頭部との事だが…）、スコープを覗いて精密射撃する側としては大変都合の良い状態になっている。
開始早々遠距離から一撃もらって終了、という展開に非常に陥りやすく、他のFPSで腕を鍛えた熟練プレイヤーにFPS初心者が狩られまくるという構図が多々見られるため、初心者入門用に適しているかといわれれば首を傾げざる得ない。
この偏ったパワーバランスはゲーム内においても物議を醸しており、本作に対しどちらかと言えば悪い方向に影響を与えている。
（ちなみにルーム名に『初心者専用』と書かれていても、大抵はアテにならない。FPS界においてはお約束とも言えるが、初心者にとっては面食らう要素の一つである）

とはいえ、この手のゲームは「死んで覚える」のが基本である。
どの場所から撃たれたか、どうすれば狙われにくくなるのか、どうすればkillを奪いやすいか…など、悔しい思いを噛み締めつつ自分のプレイを見直し、試行錯誤した先にFPSの本当の楽しさがあると言えよう。
幸い、SAは既存のタイトルよりも若干シンプルな造りであり、上記の通りヘッドショット判定も甘めなので狙撃の練習もできる。
まぐれ当たりからkillを連続で取得、大戦果を挙げる『ビギナーズラック』を体験しやすい環境とも言えるので、ここからFPS独特の醍醐味を味わって本格的にのめりこむ、という事も有り得るだろう。
その意味では確かに本作は『入門用』と銘打つに相応しいタイトルである。

総評として、FPSとして基礎的な部分はきっちりしており、動作も軽くグラも良質、おまけに無料と来ているので、気軽に撃ち合いたいのにいいタイトルが無い、FPSがどういうものか体験してみたいけどお金が無いという方は元より、初級者から中級者までスキルアップしたいという方にも打って付けなタイトルである。
硝煙の臭いが嗅ぎたくなったらどうぞ（ ・ω・）ノ