リネージュ2のレビュー・評価

プレイ期間＝
感想＝
クロニクル２アップデートでシステムが大きくかわった。
荘園システムの実装により、いままで曖昧だった戦争の意味がはっきりし、さらに経済戦争・政治戦といった別の手段による戦争が可能になった。

もともと経済システムに依存したマクロな視点でのバランスに注目したゲームだったが、それがいっそう明確になったとおもう。
すでにMMORPGではなく、シミュレーションにうんと近いとおもう。

戦争に興味のない一般プレイヤーもまた、そういった世界に絶妙に織り込まれている。

UO的視点に束縛されて自由度を定義するとこのゲームの自由度を見失うかもしれない。


2004/12/06 記
感想＝基本的に自分もここで書かれているのと同じ感想をもっていた。
まず、狩りは至って単調だ。槍武器を除けば爽快感もプレイヤースキルの要求もない。
生産も武器パーツが敵からドロップしてそれを組み立てる作業に等しい。おまけにやたらハードルが高く苦行だ。
コミュニティマネジメントも、チャットはお粗末だし、血盟も盟主が相当の苦労をしないとメンバー枠も増やせず、同盟もくめない。人の輪を広げるのにかなりの高いハードルがある。
お金に依存する度合いがものすごく高く、貧富の差がはっきりついて強者と弱者の溝は大きい。
詐欺、ＰＫ、ＲＭＴ業者、熾烈な狩り場争い。暗いニュースにはことかかない。
頼みの綱の戦争も、戦術なんてあまり無い。人数と金を集めて物量作戦に出たほうが勝ち。


でも、リネ２をある程度プレイした人なら気づかないだろうか？
こんなにゲーム内貨幣にウェイトが置かれていて、RMTも価値が高いのに、貨幣を不正に増産するチート行為がほとんどない（一時期あったが）。
あらゆるクエストの判定やアイテムドロップ、強化判定などなどがクライアントでなくサーバーで行われていて、ゲームの動作が重くなることも承知で、不正を徹底的につぶしている。
すべてアデナの価値を維持するためだ。
実際、このゲームの貨幣の価値は不動・強固である。すべてのアイテムは必ず貨幣で取引可能だ。物々交換など滅多に見ない。

現状では城を攻める戦争は、それによって貨幣経済に与える影響が少ないため、城は単なるステータスシンボルでしかない。
それでも、唯一ギラン城のみは経済に与える影響が大きく、各鯖で熾烈な攻防戦が見られる。
明日の大型アップデートで、どの城にも何らかの経済的優位性が付加されると、戦争の意味が見えてくるだろう。


ここまで長々と書いて何が言いたいかというと、このゲームは狩り、生産、チャット、そして個別の戦争、どれをとっても二流だ。
しかし、すべてを通して一貫して流れている貨幣の奪い合いと、それをめぐる生の人間同士のやりとり。
はっきり言って政治的なかけひきと経済バランスは、どのゲームにもマネできないほどレベルが高いと思われる。
ただし、すでにゲームとして楽しめるのかどうかは別だが。

実際、このゲームをもっとも楽しむことができるのは、大型血盟を運営する人間（盟主とそれをサポートする人々）か、市場調査と市場操作をする者達。または詐欺師。
オフラインゲームではぜったいありえない世界は、見事に構築されているとおもう。ものすごく生々しい、人間同士のかけひきは、味わえる。
ただし楽しめるかどうかは、また別だ。