JUNKMETAL

プレイ期間＝βから1年くらい

サービス終了してから高得点ラッシュがつくのはおなじみの光景だが、
当時を客観的に判断すればよくて3〜5点といったところか。

コンセプトは画期的だった。
場所と相手を選ばずPK可能な上、実力だけが支配する世界で、
キャラ性能よりプレイヤーの操作スキルがモノを言う対人特化仕様。
よくあるMMOの「みんな仲良しマナーマナー」みたいな
ヌルい風潮へのアンチテーゼとして、もっと評価されるべきだと思う。
全部がそうなってもアレだが、1個くらいそういうMMOがあっていい。

そこまでは良かったのだが、肝心のゲームの作りがお粗末すぎた。

まず、当時を差し引いてもこれはないだろうというグラフィック。
特に地形描画を見ると分かるが、マッピング精度がかなり怪しいし
接触判定もおかしく、ポリコンの継ぎ目がバキバキな平面フィールド、
樹木などのオブジェクトは低解像度スプライト一枚表示。
これより以前に出たPlanetsideに比べるのも失礼なくらいショボい。
専門学校生のモデラーだってもう少しましな仕事をするだろう。

荒涼とした、と言えば聞こえはいいが要は何もない世界なくせに、
なぜか描画が不釣合いに重かった。
ゲームエンジン自体は海外の有名モノを使っていて、
一時はNVIDIAロゴもついてたのだが、（それもいつの間にか消えた）
その名に泥を塗るに等しい、他に類を見ない最悪の出来だったと言える。

グラフィックス以外にも、脆弱なネットコードや
偏差ラグ（弾が当たってるように見えて実は当たってない）など
ゲーム内容以前の致命的な設計ミスが目に付く。
日本のメーカーは技術力がないと言われるのを否定しようがない。
また単純な素人バグの頻発、バランス取りの下手くそさ、
そして明らかな問題点をいつまでも放置する手際の悪さが目立ち、
MMO運営の能力も著しく欠けていた。

MMO業界に一石を投じた気概とアイデアは褒められるが、
せめてまともなゲームを作れるようになってから参入するべきだった。
とはいえ、いまだ根強いファンがいるように
アイデアそのものは一定層の支持を集めているので、
人並みの技術力を獲得したらぜひ続編を作ってもらいたいと思う。