エターナルカオス

プレイ期間＝１５ヶ月
感想＝

まず、一言でいってしまえば、３Ｄタイプの典型的な韓国ゲーです。
その特徴とは

・戦闘は敵をクリックして、倒すまで攻撃を続けるタイプ
・経験値取得によるレベル制
・アップデートごとに、より強力な敵と、それに対抗する強力な武器とスキルが追加されていくドラゴンボール型
・各クラス・種族によって、どう育てればよいか、という最適解のようなものが明確に存在する
・システム上、戦闘以外に楽しめる内容にとぼしい

といったもの。

こういうと、ウルティマオンラインやレゾナンスエイジといった、自由度の高いゲームをプレイした人は
もう拒絶反応が出ることでしょう。
それは致し方ありません。



ただし、韓国式のMMORPGが割と好きだ、という人には、お薦めできる点がいくつかあります。

�@動きの自由度が高い

A)視点移動
3Dを謳ったMMORPGは結構多いのですが、視点移動があまり自由でないものが数あるなか、
このゲームの視点移動は真に自由度が高いです。拡大・望遠も相当自由であり、
真上から真横まで視点の方向も自由自在です。
これを駆使できるかどうかで、プレイスタイルも大きく変わることになります。

B)微妙なポジション変更
かなり荒いキャラ移動しかできないものや、微妙に動かせるようにみえて、
サーバーとの間でずれが生じて、他の人からはかなり違う位置にいるように見えてしまうもの。
そういったゲームは多いです。

このゲームの移動は、非常に微妙な移動が、サーバーとの間にそれほどのずれもなく、
正確に、そして「瞬時に」反映されます。
たとえば、障害物をはさんで、敵と対峙しているとき、それまで相手の攻撃を食らわなかったのが、
ほんの数ドット横にずれただけで、敵から攻撃をくらったりすることがあります。
パーティ戦でも、敵にたいして誰がどのようにポジショニングするかで、
戦果に非常に大きな影響がでてきます。
似たようなシステムなら他のゲームでもあるだろう、という反論があるとはおもいますが、
このゲームはそれらに比べて遙かにスピーディです。
つまり、高度なリアルタイム性とアクション性を持っているといえます。


�Aシンプルである

ゲームスタートすると最初は何をしていいか解らない。これはどのゲームでも同じです。
しかし、エターナルカオスはとりあえず広場の外にでれば、敵がおそろしいほど
うじゃうじゃと寄ってきます。
これをクリックすれば簡単に一掃していくことができます。
やってみればわかりますが、これはかなり爽快です。
序盤で一体の敵との戦闘に要する時間はコンマ数秒〜１秒ちょっとの世界でしょう。
このゲームを形容する言葉の筆頭が「さくさく」である所以です。

簡単に達成することのできるクエストも、この「さくさく」感を全く損なうことなく、
ちょっとしたアクセントとして楽しむことができます。
また、キャラが死んでしまっても、大きなペナルティはありません。
初心者に優しいシステムといえるでしょう。


�B高レベルの戦闘では、高度な操作が楽しめる

キャラクターのレベルが高くなってくると、それだけ高レベルの敵との戦闘をこなす必要がでてきます。
高レベルの敵は、序盤と異なり非常に「硬い」ものが多く、攻撃方法も様々です。
特殊な防御形態をもつものもあります。
これに対抗するために、キャラクターは特殊なスキルを用いるのですが、
多くのスキルはリアルタイム性が高く、プレイヤーそのものの操作能力によって
有効に使えるかどうかが変わってきます。
�@のB)でも書いたように、キャラクターの微妙な位置変化なども戦闘に影響を与えますので、
上級プレイヤーは、自らの操作能力をみがくという楽しみも得られます。
種族によっては、かなりの操作能力を必要とするものもあり、種族ごとに操作を極める、
という目標をたてても面白いでしょう。


�Cキャラが基本的に三枚目（ダサい）

これを良いことに挙げるのも変ですが、いちおうリアルな３Ｄゲームにも関わらず、
どの種族もなんとなく３枚目です。
格好いい装備も当然たくさんあるんですが、真面目に考えたのかふざけたのか
判断に悩むような装備も多数あります。
極めつけは「アクション」とよばれる、一連の意味のないキャラのポーズです。
泣く、笑う、座る、ジャンプする、などのほか、イエッサー！とかけ声をかけて地面に平伏？
するヘッドダウンや、阿波踊りが崩れたようなダンスなど、
どれもこれも、格好いいと思うものは皆無であり、初めてみた人は笑ってしまうこと必至です。

リアルタイム性を生かして、みんなで一斉に同じアクションをしたり、
ヘッドダウンのまま行列をつくる、などという、本来のゲーム性とは全く関係のない
遊びもゲーム内ではよくみられます。


�Dソロでもパーティでも、短時間でも長時間でも楽しめる

�Aに述べたように、基本的にシンプルなゲームですので、社会人で毎日ちょっとしか時間がない、
という人でも気兼ねなく楽しめます。
気のあったひととすこしパーティしようか、ということもこのゲームでは別に珍しいことではなく、
パーティ中でも、用事ができたからこれでぬけます、というようなことも気軽に言えます。
（もちろん、戦闘の内容によっては、なかなかそうもいかないような修羅場なども無いわけではありません）


�Eプレイヤーの年齢層や地位が幅広い

比較的早いうちからβがはじまっていたことと、�Aにもあげたシンプルさ、それに�Dのような
時間的拘束をあまり考えずに楽しめること。
こういったメリットのおかげでしょうか、このゲームのプレイヤーは、年齢層も様々、
女性のプレイヤーもかなり多く、社会的地位もさまざまです。
そのぶん価値観の衝突などもあるでしょうが、むしろプレイスタイルの幅が広がっている
ことのメリットのほうが大きいとおもいます。
チャットしているだけでも、新しい発見などが得られたりするのもこのゲームの魅力ではないでしょうか。



以上がこのゲームの長所だと思える点です。
以下は欠点です。。。結構深刻なものもあります。



�@キャラの成長の自由度がとにかく狭い

プレイヤーが選択できる自由は、どの種族を選ぶか、だけだといっても過言ではないくらい、
キャラ成長の自由度が狭いです。
この種族なら、このパラメータにどれくらい振って、スキルはこれとこれに振って・・・・
という確固たる「模範解答」が存在してしまっています。

また、装備品も、「このレベルならこれを使え」という模範解答があり、それに外れた選択をしても、
不利になることはあっても有利になることはほぼありえません。

オリジナリティを追求したキャラ成長を目論むのは個人の自由ですが、
そうすると最悪の場合、敵が倒せない、いつまでたっても成長しない、という羽目に陥ります。
少なくとも最初はセオリーに乗っ取ったキャラ成長をさせ、十分に慣れてきたら
遊びでステータスやスキル振りをするべきでしょう。



�A高レベル者が多く、初心者が追いつくのは難しい

もう２年前にβがはじまったゲームです。初期のプレイヤーはそれこそ行き着くところまで
いってしまっています。
そして、そのようなプレイヤーの数の割合はどんどん増えています。
高レベルキャラと、初心者キャラの強さはそれこそ数百倍から、下手すると数千倍の差がありますので、
高レベルキャラと一緒に初心者キャラがプレイする、ということはなかなか難しくなってきています。
初心者の人にとっては疎外感がぬぐえず、プレイをはじめてすぐに止めてしまうというケースも
めずらしくないでしょう。

＃＃
ただし、このゲームには、初心者と高レベル者が利益を共有できる「シャイロン」というマップが
存在しており、ここでプレイするぶんには、初心者も疎外感を味わうことは少ないとおもいます。
しかし、このマップは高レベルにならないと、エターナルカオスの持ち味である「アクション性」を
楽しむことができないので、
低レベルのうちからここで慣れてしまうと、はやい段階で行き詰まることになるという問題をかかえています。



�B上位レベルでは、楽しみを見つけるのが難しい

このゲームは生産と呼べるものがろくになく、戦闘を数こなしてレベルをあげ、
またはモンスターからドロップされるアイテムを収拾すること以外に、基本的にすることはありません。
（PvP戦がありますが、これは次で述べます）
敵のレベルが低いうちは、アイテムがたくさんドロップして、なんとなく幸せな気持ちになれます。
レベルもすぐに上がります。

しかし、高レベルの敵のアイテムは、ほぼすべてが「レアアイテム」といっても過言ではありません。
レベルもなかなか上がらなくなってきます。
ろくに戦利品もない状態で、戦闘を繰り返していくのに耐えられないプレイヤーには、
このゲームの後半戦は苦行といえます。
マイペースで、自分なりに楽しみを見つけていくことのできる人には、
それほど苦にはならない、という意見もありますから、これは人それぞれ、ともいえるかもしれませんが。



�CPvP（プレイヤー同士の戦い）システムがお粗末

このゲームは2003バージョンになって、種族間のバランスがかなり改良されました
（それ以前は、どうあがこうとも戦士系の種族の独壇場でした）。
しかし、それでも１対１のタイマンで戦闘をしたばあい、同レベル帯のキャラ同士なら
戦士系が圧倒的に強いのはかわりありません。

このゲームは基本的にＰＫ可能領域が狭いのですが、可能な領域でも、基本的にＰＫは禁止されています。
そうでなければ戦士系が他種族を狩るという構図以外なくなるからです。

なお、このゲームにも「攻城戦」と呼ばれる大規模戦闘が開催されますが、
この場合も、狭い城の中に大人数が殺到して芋洗い状態になり、その中で戦士系種族が
大暴れする、という構図になります。
ただし、この「攻城戦」では、多種族もサポート役のような形で戦果に大きく影響を
与えることができますが、それらをフル活用したばあい、「戦争」というより
姑息な手段の応酬合戦になり、どうにも見苦しいものになります

また、レベルが低いキャラは、PvP戦で高レベルキャラに勝つチャンスは、
それこそ万に一つもないといえます。
したがって現状の攻城戦は、最高位のレベルに達したキャラだけが参加できるものといえます。
これは新参者の疎外感を大きく強めるものでしょう。

＃＃
ただし、これは個人の主観です。逆に、これこそがエターナルカオスらしい、
独自のPvPシステムだ、という主張もあるでしょう。


今後、ギルド戦争とレベル補正という新しいPvPシステムが実装されるようですので、
それに期待したいものですが・・・



�Dサポート体制が弱い

最初に断っておくと、最近はかなり改善されてきました。
しかし、クロノスやMUを配信しているゲームオンなどと比較すると、
更新やバグ改善、プレイヤーの意見の反映など、あらゆる点で劣っていると言わざるを
得ないでしょう。
それでも、もう一度繰り返すと、最近はプレイヤーとの距離を縮め、
いろんな意見を反映させようと努力しているようです。
イベントも多くなってきました。

しかし、やはり最初の契約内容からでしょうか、何をやるにしても制作本社に委託
しないと出来ないという体制がネックになり、プレイヤーの希望するものとの間に
ギャップができています。